生活道路・通学路の交通安全対策
交通安全対策基本法に基づく第10次交通安全基本計画(2016-2020)では、基本理念で「人優先の交通安全思想」がうたわれ、道路交通の安全対策として「生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備」が取り上げられています。具体的には、科学的データや地域の顕在化したニーズ等に基づき抽出した交通事故の多いエリアにおいて、国、自治体、地域、住民等が連携し、徹底した通過交通の排除や車両速度の抑制等のゾーン対策に取り組み、子供や高齢者等が安心して通行できる道路空間の確保を図ることになります。
街路が得意とするインターロッキングブロック舗装による交通安全対策
対策事例
目的や場所の特性等によって様々な対策メニューから選択し組み合わせることで、効果的な対策を実施することとされています。街路ではこれらの対策メニューの工事を得意とし、生活道路・通学路の交通安全対策に積極的に取り組んでいます。
用途 | 道路区間 | 交差点 |
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交通量の抑制 |
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速度の抑制 |
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歩行空間等の確保 |
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ドライバーの視認性向上 |
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関係者との連携 協力の取組事例 |
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出典:国土交通省HP「通学路・生活道路の安全確保に向けた道路管理者による対策実施事例」
インターロッキングブロック舗装の車両速度抑制効果
インターロッキング舗装などのブロック系舗装を施工することにより、色彩やパターンなどにより視覚的効果を与え、車の速度を抑制する「イメージハンプ」としての効果があります。また、車両の運転手に振動を与えることで注意喚起を促す効果もあります。
以下は、国土交通省道路局が、ETC2.0プローブデータの走行履歴情報から取りまとめたブロック系舗装施工区間(480か所)と非施工区間(272か所)の区間距離帯別の車両走行速度の比較です。区間延長が60ḿ以上では、ブロック系舗装で5~10㎞/時以上の速度低減効果がしめされています。
さらに、国土技術政策総合研究所がバーチャルリアリティーを用いて、車道の舗装種別による走行速度の違いを調査した結果からも、アスファルト舗装、カラー舗装と比べて、ブロック舗装の方が走行速度が低く、ドライバーにとっても速度が出しづらいとの結果になっています。以下はブロック舗装とカラーアスファルト舗装との比較を示しています。
出典:大橋ら:VR活用による生活道路での路面構造の違いが歩道の交通挙動に与える影響調査:2018年6月,第56回土木計画学研究発表会・講演集
出典:国土交通省 速度データ:ETC2.0プローブデータの走行履歴情報(H29.9~11)
生活道路、コミュニティー道路のインターロッキングブロック舗装による 交通安全対策事例
車両の速度低減効果を期待して生活道路、商店街道路にインターロッキングブロック舗装を施工した事例です。また、ハンプやスラローム、車道部の狭窄にもインターロッキングブロック舗装が施工されています。インターロッキングブロック舗装は、ブロックの空隙や目地砂から雨水の排水効果があり、これにより、路面の滞水を無くして車両の走行性の向上や歩きやすい歩行空間の形成に寄与するとともに、地下水の涵養や路面温度の低減効果も期待できます。
また、ライフサイクルコストについて試算した結果、インターロッキングブロック舗装はアスファルト舗装に比べて初期建設費は高いものの修繕費が安く、解析期間40年間でみるとライフサイクルコストを7~19%削減できるとの結果が出ています。
生活道路
商店街道路
ハンプ・スラローム・狭さく
ハンプ
スラローム
狭さく