この工事は、既存の雨水ますを、雨水浸透ますに変える工事です。
通常道路に降った雨水は、路面 → 側溝 → 雨水ます →下水管にそのまま流れていきます。
ですが近年では、全て流すのではなく地中に浸透させる「浸透ます」の設置が推進されています。これには大きく二つの目的があります。
ひとつは、下水管に流れる雨水の量を減らす事。東京都の下水は合流式で、生活排水と雨水が同じ下水管を通って処理場まで運ばれます。つまり、豪雨で下水があふれた場合には、トイレの排水なども一緒にあふれてくるという事になってしまいます。東京都の下水を今からすべて分流にするというのは難しいので、それならせめて雨水の一部を地中に浸透させることで下水があふれる危険性を少しでも減らそう、という訳です。
もう一つは、地下水の確保です。都会は舗装面が多いため地下水位が下がりがちで、それが地盤沈下の原因になったりします。浸透ますを多く設置することで豊富な地下水を確保する、という効果があります。
通常は既設の雨ますを取り外し、地下に浸透施設を設置しますが、今回は既存のますを外さずに浸透ますに変える「EGSM工法」(※既存ますの底に穴を開け、垂直に穴を掘ってそこに穴の開いた管を通す工法)を行います。
実は弊社ではこの工法による施工は初めての経験となりますが、土木工事は初めてであっても失敗が許されません。関係者全員が工法をきちんと理解した上で、丁寧な作業を心がけてまいりたいと思います。